時間と場所を選ばず好きな作品が観られる人気サービスAmazonプライムビデオですが、配信作品の多さから、何を観たらいいのか迷ってしまう方もいるでしょう。

 

映画の定番ともいえる恋愛映画ですが、苦手であまり観ない方も多いものです。今回は恋愛だけじゃなく、＋αの要素があり夢中になって観てしまう洋画5作品をご紹介します。

ウォールフラワー【アメリカ/2013】

『ウォールフラワー』は2013年に公開されたアメリカの映画で、『ライ麦畑でつかまえて』の再来とも言われたスティーヴン・チョボスキーの同名ベストセラーを、著者本人がメガホンをとり、映画化しました。『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』のローガン・ラーマンに『ハリーポッター』シリーズ卒業後、初めての大役となるエマ・ワトソンの共演でも話題になった作品です。

 

周囲に馴染めずまだ何者でもない自分への苦悩、華やかで楽しい生活を送っているように見えても満たされない思い。青春の刹那的な輝きとほろ苦さをロック音楽、夜のドライブ、喧嘩、才能の開花などアメリカングラフティ要素をふんだんに取り入れて、瑞々しく描いています。

あらすじ

小説家志望の内気な少年チャーリーは、高校デビューをしようとするも失敗し、スクールカースト最下層に位置づけられてしまいます。パーティーでも誰にも話しかけられない「壁の花（ウォールフラワー）」状態で、ただ日々、何事もなく暮らすことだけに注力していました。

 

ある日、フットボールの試合を観戦しているときに陽気な上級生パトリックと出会い、奔放な義理の妹サムを紹介されます。ふたりと出会ったことで生活は一変。彼らの仲間に迎えられたチャーリーは初めて友情や恋を知り、ウォールフラワーではない充実した高校生活を送り始めます。しかし、チャーリーが隠す過去の事件をきっかけに、3人の青春の日々は思わぬ方向へと転がり始めるのです。

見どころ

この作品の見どころは、奔放な少女サムを演じたエマ・ワトソンの美貌と色っぽさです。『ハリー・ポッター』シリーズのイメージをいい意味で覆してくれるほどの魅力に溢れ、本作で改めてファンになった人もいることでしょう。

 

そして、スクールカースト上位の生徒と目を合わせることすらできなかった内気なチャーリーが不器用に人との距離を縮めていく様は、もどかしさとともに応援したくなります。

 

こうした学校内における自分の立ち位置で悩むのは日本だけじゃなく、万国共通なのだと知ることができます。パーティーなどが身近なアメリカのほうが、より切実な問題なのかもしれません。

 

もし、学校や会社など組織の中での立ち位置に悩んでいるならば、この作品を観ることで、そういう思いを抱えているのは自分だけじゃないことや上位にいる人であっても同じように悩みを抱えていることに気づかされます。

 

今、まさに青春の最中にいるという人だけでなく、青春が遠い日々となった大人にとっても、甘酸っぱさと痛みを思い出し、過去ではなく未来に目を向ける希望の大切さを教えてくれます。

 

時間：1時間42分

監督：スティーブン・チョボスキー

出演：ローガン・ラーマン、エマ・ワトソン

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博士と彼女のセオリー【イギリス/2015年】

『博士と彼女のセオリー』は、2015年に日本で公開されたイギリスの伝記映画です。2018年3月14日に亡くなった宇宙物理学者のスティーヴン・ホーキング博士と、彼の妻ジェーンの関係を元にしたストーリーが描かれています。

 

本作は、第72回ゴールデングローブ賞のドラマ部門・主演男優賞、第68回英国アカデミー賞の英国作品賞、主演男優賞、脚色賞、さらには第87回アカデミー賞において5部門ノミネートに加え、主演男優賞と多くの映画賞を受賞しました。

 

あらすじ

1960年代、物理学者として将来を期待されているスティーヴン・ホーキングは、同じケンブリッジ大学で文学を専攻する少女ジェーンと出会い、惹かれ合います。しかし、スティーヴンはその直後に体の自由がきかなくなり、医師の診察を受けた結果、ALS（筋萎縮性側索硬化症）の発症と余命2年の宣告を受けるのです。

 

ふたりは親たちの反対を押し切って結婚し、子どもをもうけます。スティーヴンの体は徐々に動かなくなりますが、ジェーンの献身的な支えもあり研究に取り組み実績をあげ、名前が知られるようになっていきます。一方で、ジェーンには子育て、家事、介護、自身の学業と負担が重くのしかかります。

 

そんな生活に追い詰められていくジェーンを見た母親は気分転換にと教会の聖歌隊に入ることを提案し、そこで聖歌隊の指導をしていたジョナサンと出会ってしまいます。スティーヴンの介護に疲れていたジェーンは、彼をピアノ教師として家庭に招き、やがて不思議な三角関係を築いていくことになります。

 

スティーヴンは更なる試練に見舞われ声を失いながらも、1988年、後に世界的ベストセラーとなる『ホーキング、宇宙を語る（原題：A Brief History of time）』を上梓し、もう修復できないふたりにとって重要な決断をくだします。 

見どころ

最も感動的な見どころは、余命宣告をされて落ち込んでいるスティーヴンに対して、ジェーンが彼のメガネを拭きながら告げた「I love you」です。

 

このメガネを拭くシーンはふたりが離れてしまった終盤にも、とある重要なシーンにおいてもう1度生きてくることになります。 

自分のセオリーを信じて、難病に負けることなく研究に突き進むスティーヴンの不器用な生き方と、ジェーンとスティーヴンそれぞれの弱さと強さ、慣習にとらわれない愛の形が描かれています。

 

夫婦を支え続けたジョナサンの存在やあまり知られていませんが、ふたりは別れた後でそれぞれ再婚していることなど綺麗ごとでは終わらせないリアリティを描いたことで、この作品が恋愛映画であると同時に「伝記映画」であることを思い出させてくれます。

 

時間：2時間3分

監督：ジェームズ・マーシュ

出演：エディ・レッドメイン、フェリシティ・ジョーンズ

Amazonプライムビデオ視聴：レンタル299円～ 

ムトゥ 踊るマハラジャ【インド/1998年】

『ムトゥ　踊るマハラジャ』は、1995年に本国で、1998年に日本公開されたタミル語のインド映画です。ヒンディー語映画ではないため、いわゆる「ボリウッド」ではありませんが、インド映画の代表作品といえます。

 

日本での公開時時は渋谷のミニシアター、シネマライズ単館上映でしたがクチコミで広がり23週に及ぶロングランとなりました。最終的には全国100カ所以上で上映され興行収益は4億円を突破し、これまでになかった規模でのインド映画ブームを巻き起こしました。

 

華やかでちょっとトボけた印象のあるポップなダンスシーンと情熱的な歌は、まさにインド映画らしい娯楽大作です。

あらすじ

タミルナードゥ州の大地主ラージャーに仕えるムトゥは、持ち前の明るい性格と腕っぷしの強さから、主人や使用人仲間からの人望も厚い好青年です。

 

ムトゥの伯父であるアンバラッタールは逆にがめつい人物で、屋敷を乗っ取るために娘パドミニとラージャーとの結婚を画策していました。

 

しかし、ラージャーは、ムトゥを連れて行った芝居に出演していた看板女優のランガに一目惚れしてしまいます。巡業先で借金取りたちに連れ去られたランガをラージャーの命令で助けたムトゥは、隣の州への逃避行の間にランガと恋に落ちてしまうのです。

 

ムトゥは義兄に姉を殺され逃げるように劇団に入り、女優になったというランガの境遇を知り、屋敷で働けるようラージャーに頼み込みます。それを聞いたラージャーは自分の求愛を受け入れてくれたと勘違いし、ランガを歓迎しました。

 

屋敷の乗っ取りを企むアンバラッタールは、ラージャーの結婚相手が決まったという話を知り、息のかかった使用人カールに「ムトゥがランガを脅迫している」と嘘の報告をさせると、ラージャーは事実確認もせずムトゥを追い払ってしまいます。そのことを知ったラージャーの母シヴァガーミは、息子を叱責しムトゥの出生の秘密を明かすのです。 

見どころ

最大の見どころは、キャッチコピー「ウルトラ・ハッピーマサラ・ムービー」の通り、底抜けに明るく、観ていると思わず体を動かしたくなる圧巻のダンスシーンをふんだんに取り入れたエンターテインメント性です。

 

また、ランガを巡るラブコメディに、アクションシーンはあっても過激な暴力表現がないことの爽快感、ムトゥの出生の秘密が明かされ、さまざまな謀略を打ち破りながらハッピーエンドに向かっていくドラマティックなストーリーも魅力的です。最後にムトゥの隣にいるのは誰なのか、ぜひともご自身の目でご確認ください。

 

時間：2時間45分

監督：K.S.ラヴィクマール

出演：ラジニカーント、ミーナ

Amazonプライムビデオ視聴：レンタル500円～

ローマの休日【アメリカ/1954年】

『ローマの休日』は1954年、日本で公開されたアメリカ映画で、誰もが知る恋愛映画の傑作として、長らく語り継がれていまです。

 

庶民の男がプリンセスと出会い、つかの間の恋に落ちるという、まるで童話のようなストーリーに、ローマの魅力的な景色、白黒映画にもかかわらず華やかに舞うオードリー・ヘプバーンの美貌で、50年以上経った今でも絶大な人気を誇っています。

 

ヘプバーンのアメリカ映画初出演である本作は、第26回アカデミー賞で主演女優賞と衣装デザイン賞（白黒）、原案賞を受賞しました。 

あらすじ

某国の王女アンは、ヨーロッパ各国を表敬訪問していました。しかし最後の滞在地であるローマで、あまりに過密なスケジュールや自由のない生活への不満からストレスがたまり、主治医に鎮静剤を投与されますが、目が冴えて眠れない王女はこっそり抜け出してローマの街へと繰り出します。。

 

やがて、薬が効いてきたため道端のベンチで眠ってしまいます。。偶然、通りかかったアメリカ人の新聞記者ジョー・ブラドリーは、そんな彼女を見かねて声をかけますが、埒が明かないため自分のアパートで休ませることにしたのです。

 

翌日の昼に彼女の正体を知ってしまったジョーは、王女がお忍びでローマの街を楽しんでいるところを記事にすればスクープになると考えて、自分の職業を偽り王女を連れ出します。友人のカメラマンも一緒に行動するうち、王女とジョーの距離は縮まり恋心へと変化していきますが、王女には時間が迫っていました。 

見どころ

この映画の見どころは何といっても、ヘプバーン演じるアン王女の無邪気な様子です。髪をバッサリ切ってウキウキと喜ぶ顔、ジェラートを口いっぱい頬張ったりベスパでローマの街をかっ飛ばしても崩れない気品は、本当に好奇心旺盛な王女が城を抜け出して遊びまわっているようです。あどけなさと滲みでる高貴さで、愛くるしいアン王女を演じきったヘプバーンは映画界にとって唯一無二の存在となりました。

 

そして、ジョーとの出会いにより王女として成長する姿は、現在にも響くメッセージを放っています。

 

そんなアン王女に負けないほどの魅力を放っているのが、ローマの街の風景です。

 

昔ながらのヨーロッパのよさがこれでもかというほど詰め込まれ、首都ローマの誇る名所のほとんどを駆け巡る映画全体のテンポのよさも見どころでしょう。映画を観た後には、ローマに行ってジェラートが食べたくなるくらい魅力的です。 

よくテレビでも映される、ジョーが自らの手を真実の口に食べられてしまったかのように見せるシーンでの、アン王女のリアクションには思わずキュンとするかもしれません。

 

時間：1時間58分

監督：ウィリアム・ワイラー

出演：オードリー・ヘプバーン、グレゴリー・ペック

Amazonプライムビデオ視聴：プライム会員特典

アラジン 新たなる冒険【フランス・ベルギー/2016年】

『アラジン　新たなる冒険』は、2015年にフランス、2016年に日本で公開されたフランスとベルギーの合作で、さまざまな形で映画化されてきた千夜一夜物語を主軸にした冒険ロマンス活劇です。アラジンというモチーフからは考えられないくらいフランス流のコメディ要素がたくさん盛り込まれ、大波乱を巻き起こします。

 

本国フランスでは2015年の映画No.1を獲得し、2018年には続編も作られるほどの人気作です。 

あらすじ

舞台は砂漠の中のある王国です。貧しい若者であるサム（アラジン）は友人と結託し、ただの水を「病がすぐ治る万能薬」として売り歩いていました。ある日、アラジンは客の中にいた美しい女性に一目惚れしますが、役人にインチキがばれてしまい砂漠に置き去りにされてしまいます。

 

実はこの女性は城を抜け出していた王女シャリアでした。

シャリアは一度だけ会ったアラジンに好意を抱き、婚約者との結婚にも気が進みません。

 

一方でアラジンは砂漠を彷徨っているときに出会った老人から、何でも願いが叶うランプの伝説を聞き、冒険の末についにランプを手に入れます。早速、魔人ジーニーを呼び出すのですが、何とジーニーが逃げようとして……。

見どころ

この映画の見どころは、フランスの人気コメディアンであるケヴ・アダムズが演じるお調子者の若者アラジンとVFXを無駄に使ったギャグ満載の、何ともいえない痛快さです。ここまでのコメディに振り切っているとは想定外で、フランス映画＝おしゃれというイメージを壊してくれることでしょう。

 

冒頭で、冴えない若者サムがサンタクロースの衣装でのアルバイト中、子どもたちに「新アラジン、リミックスってやつ」と物語を語り聞かせます。いきなりのメタ展開に驚きながらも、このやる気のない若者の語りで映画が進行する様子はとてもシュールで、いつの間にか引き込まれます。

 

空飛ぶ絨毯が機械仕掛けである、砂漠のど真ん中に「止まれ」の標識があるなど、随所にトボけた描写を挟みながら、ゆるく進んでいくストーリーは思わぬ展開へ向かいます。好みは分かれるかもしれませんが、テンポがいいので楽しんで観られることは間違いありません。

 

時間：1時間45分

監督：アーサー・ベンゼクェン

出演：ケヴ・アダム、ジャン・ポール・ルーヴ

Amazonプライムビデオ視聴：字幕版のみレンタル400円～

 

まとめ

今回はAmazonプライムビデオで観られる、おすすめの恋愛映画5作品をご紹介しました。

 

恋愛をテーマにしつつも青春や冒険など、さまざまな色合いを重層的に含んだ作品を中心に選出しましたが、気になる作品は見つかったでしょうか。

 

普段、恋愛映画を観ないという方も、この機会にぜひ、Amazonプライムビデオで探してみてください。

 

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